オフザボールの動き・ポジショニング フィニッシュ編

UEFAのコンペティション

サッカーの試合でゴールが決まる時、そのほとんどに於いてオフザボールでの質の高い動きやポジショニングがあります
今回は24‐25シーズンの試合から、ゴールに繋がったオフザボールの動きやポジショニングを3つ取り上げたいと思います

ゴールを生むオフザボールの動き・ポジショニング 3選

【その1】
UEFA CL リーグフェーズ 第4節(2024年11月6日)
リヴァプールFC 対 バイヤー・レバークーゼン 戦
●61分 ルイス ディアス(リヴァプール)

【その2】
イングラド・プレミアリーグ 第24節(2025年2月3日)
アーセナル 対 マンチェスター・シティ 戦
●62分 マイルズ ルイス=スケリー(アーセナル)

【その3】
ドイツ・ブンデスリーガ 第24節(2025年3月2日)
アイントラハト・フランクフルト 対 バイヤー・レバークーゼン 戦
●26分 ネイサン テラ(レバークーゼン)

ルイス ディアス(リヴァプール) オフザボールでの動き

UEFA CL リーグフェーズ 第4節(2024年11月6日)
リヴァプールFC 4-0 バイヤー・レバークーゼン
【61分】ルイス ディアスのゴール

ドリブラーとしてのイメージが強いルイス ディアスですが、リヴァプールに移籍して以降はタイミングの良い裏抜けからも多くの決定機を作り出し、ゴールを生んでいます。
快調に白星を重ねるリヴァプールが前年度ドイツ王者のレバークーゼンを相手に後半の4ゴールで完勝したこの試合、61分にルイス ディアスが先制点を挙げた時の裏抜けの動きは彼のオフザボールでの動き方の特徴が表れていました。

[システム図①]
レバークーゼンのディフェンスライン裏へ抜け出すルイス ディアス
マッチアップマンの死角を突いてライン裏へと抜け出す
前線中央にポジショニングする⑰カーティス ジョーンズが、レバークーゼンの守備ブロックの前まで下がってパスを受け、素早くターンして前を向く。
⑦ルイス ディアスをマークするレバークーゼンのセンターバック、⑫タプソバがカーティス ジョーンズの一連の動きに視線を向けた瞬間、ルイス ディアスはタプソバの死角を突いてレバークーゼンのディフェンスライン裏へと抜け出す。
抜群のタイミングでディフェンスライン裏へと抜け出したルイス ディアスへカーティス ジョーンズはスルーパスを通し、ルイス ディアスはゴールキーパーと1対1になる。

この図の後、ルイス ディアスは右足でループシュートを放ち、リバプールに先制点をもたらす。

ルイス ディアスがディフェンスライン裏へ抜け出す時の動き方は、シンプルだけどタイミングが抜群に良く緩急のつけ方も巧い

彼のオフザボールでの動きから決定機が生まれるのは、リヴァプールにとって定番パターンのひとつになっている

※この試合の54~55分、リヴァプールのチャンスシーンをこちらの記事にて取り上げています
もしよろしければご覧下さい

マイルズ ルイススケリー(アーセナル) ゴール前でのポジショニング

イングラド・プレミアリーグ 第24節(2025年2月3日)
アーセナル 5-1 マンチェスター・シティ
【62分】マイルズ ルイス=スケリーのゴール

アーセナルのビルドアップに於いて重要な役割を担うルイス=スケリー。敵のフォアプレスを無力化する高い技術力と的確なポジショニングはビルドアップだけではなく、アタッキングサードでも対戦相手の脅威となりうる。
ここではアタッキングサードでの彼のポジショニングがゴールに結びついたシティ戦、62分のシーンを紹介します。

[システム図②]
絶妙なポジショニングからゴールを奪うルイス=スケリー(その1)
ゾーンの間を取るルイス=スケリー
敵陣に攻め込んだアーセナルは左サイドで3対3。
シティの㉗マテウス ヌネス、⑳ベルナルド シウバ、㊼フォデンに対して、アーセナルは⑥ガブリエウ マガリャインイス、㊶ライス、⑧ウーデゴールの3人がトライアングルを形成する。⑤トーマスからパスを受けたガブリエウ マガリャインイスはライスとポジションをスイッチする形でパス交換。
シティ守備陣の意識がアーセナルからみて左サイドへと向くと、㊾ルイス=スケリーが周囲を見渡しながらハーフバイタルの絶妙なポジション、所謂ゾーンの間に入って来る。
[システム図③]
絶妙なポジショニングからゴールを奪うルイス=スケリー(その2)
ゾーンの間を取った㊾ルイス=スケリーへ㊶ライスがすかさずパスを入れる。
シティ守備陣にとってアプローチが難しい位置でボールを受けたルイス=スケリーは、すかさず反転しドリブル開始。シティゴールへと向かって行く。

この図の後、ルイス=スケリーは守備対応する⑤ストーンズの前から右足でのシュートを放ちシティゴールを射抜く。

このルイス=スケリーのゴールをみれば、ゾーンの間で受ける事の重要性がよくわかる

そんなゴールだった

ネイサン テラ(レバークーゼン) オフザボールでの動き

ドイツ・ブンデスリーガ 第24節(2025年3月2日)
アイントラハト・フランクフルト 1-4 バイヤー・レバークーゼン
【26分】ネイサン テラのゴール

最後に紹介するのは、攻守に於いて献身的な動きでチームに貢献するネイサン テラ。
フランクフルトとの一戦では見事なダイアゴナルランで中盤からのスルーパスを引き出し、チームに勢いをもたらす先制のゴールを挙げる。

[システム図④]
ネイサン テラのダイアゴナルランで中央から敵の守備ブロックを攻略
シックをデコイ(おとり)にしてディフェンスラインの裏へと抜け出す
クリアボールの奪い合いの後、ボールはレバークーゼンの中盤㉞ジャカへ。
自陣で守備ブロックを整えるフランクフルト守備陣が最も注意を払っていたのは、前線から少し下がった位置にポジションを取る⑭シック。フランクフルトのセンターバック(CB)⑬クリステンセンと④コッホの視線はシックやボールホルダーのジャカに向けるが、その瞬間を前線にポジションを取る⑲ネイサン テラは見逃さずに動き出す。
フランクフルトの両CBの死角を突いてゴール前に抜け出したネイサン テラ、そこへジャカはスルーパスを通す。

この図の後、ジャカからのスルーパスを受けたネイサン テラは守備に来た、③テアテをかわして右足でシュートを決める。

フランクフルト守備陣の死角を突いたネイサン テラの動きは、動き出すタイミングとコース取りが抜群に良かった

その動きが敵の2ラインを一気に超えるジャカのスルーパスを引き出した

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