世界が熱狂したW杯が終わると、サッカー界は殆ど休む間もなく各国のリーグ戦が再開
今回のサッカー観戦記はW杯終了後のプレミアリーグ、元旦(現地時間では大晦日の12月31日)に開催された、ブライトンが首位アーセナルをホームに迎えた一戦のレビューです。
ブライトン&ホーヴ アルビオン 対 アーセナル
2023年1月1日 イングラド プレミアリーグ 第18節
ブライトン&ホーヴ アルビオン 2-4 アーセナル
メンバー
ブライトン&ホーヴ アルビオン
監督 ロベルト デゼルビ
【スタメン】
1 | ロベルト サンチェス (GK) |
2 | タリク ランプティ |
5 | ルイス ダンク |
6 | リーバイ コルウィル |
7 | ソロモン マーチ |
11 | レアンドロ トロサール |
13 | パスカル グロス |
14 | アダム ララーナ |
22 | 三苫 薫 |
27 | ビリー ギルモア |
30 | ペルビス エストゥピニャン |
【交代】
19 | ジェレミー サルミエント (61分In) |
➡ララーナ Out | |
28 | エバン ファーガソン (61分In) |
➡トロサール Out | |
20 | フリオ エンシソ (76分In) |
➡マーチ Out |
アーセナル
監督 ミケル アルテタ
【スタメン】
1 | アーロン ラムズデイル (GK) |
4 | ベン ホワイト |
5 | トーマス パーティ |
6 | ガブリエウ マガリャンイス |
7 | ブカヨ サカ |
8 | マルティン ウーデゴール |
11 | ガブリエウ マルティネッリ |
12 | ウィリアム サリバ |
14 | エディ エンケティア |
34 | グラニート ジャカ |
35 | オレクサンドル ジンチェンコ |
【交代】
3 | キーラン ティアニー (60分In) |
➡ジンチェンコ Out | |
18 | 冨安 健洋 (60分In) |
➡ベン ホワイト Out | |
25 | モハメド エルネニー (74分In) |
➡トーマス パーティ Out | |
16 | ロブ ホールディング (87分In) |
➡ウーデゴール Out |
基本システム
左:ブライトン(青白) 右:アーセナル(黒)
[システム図①]
試合開始時
[システム図②]
60分アーセナル ③ティアニー、⑱冨安 投入
61分ブライトン ⑲サルミエント、㉘ファーガソン投入、(前線のポジションを修正)
[システム図③]
74分アーセナル ㉕エルネニー投入
76分ブライトン ⑳エンシソ投入
[システム図④]
87分アーセナル ⑯ロブ ホールディング投入、(システム変更)
得点
【2分・アーセナル】得点者:ブカヨ サカ (0-1)
連続するトランジションをアーセナルが制し、ショートカウンターから先制ゴールを挙げる
ウーデゴールが右サイドから中央へ斜めのドリブルでペナルティエリア内へ侵入するとジャカにパスを出す。このパスをブライトンの右サイドバック(SB)のランプティがカットし中央のレーンをドリブルで上がる。ランプティのドリブルに対してアーセナルはジンチェンコがアプローチし進路に制限をかけると、すぐ後ろにいたトーマスがカット。こぼれ球をジンチェンコが素早く前方のマルティネッリへ送る。
左ハーフスペースでボールを受けたマルティネッリはドリブルでペナルティエリア内へ侵入しシュートを放つもセンターバック(CB)のダンクがブロックし、ボールはゴール前のCBコルウィルに当たりサカの前に。サカは左足でトラップするとすぐさま左足を振り抜いてシュートを放ちゴール。
【39分・アーセナル】得点者:マルティン ウーデゴール (0-2)
アーセナル、右サイドのコーナーキック。
サカがインスイングのボールをゴール前に蹴るがブライトンはギルモアがヘディングでクリアし、ボールはペナルティスポットの後方へとこぼれる。このこぼれ球をウーデゴールが左足でダイレクトシュート。ボールはブライトンゴールに吸い込まれる。
【47分・アーセナル】得点者:エディ エンケティア (0-3)
アーセナルが自陣深くからのカウンターアタックで追加点を奪う
ブライトンは左サイド(アーセナルからみて右サイド)から攻め込みトロサールがクロスを上げるがトーマスがカットし、右のハーフスペースにこぼれたボールをウーデゴールが拾いドリブルで上がると右サイドのサカにパス。
サカはハーフウェイライン付近で一旦横方向に進路を採る。中央に向けドリブルするとウーデゴールにボールを戻す。ウーデゴールは中央のレーンを上がって来たトーマスへ横パス。
トーマスにボールが渡ると進路を再び縦方向に向ける。トーマスは左ハーフスペース前方のスペースへ走り込むマルティネッリへ絶妙のパス。
パスを受けたマルティネッリはペナルティエリア左角付近でランプティと1対1に。マルティネッリはランプティを縦方向のドリブルで抜くとシュート。ゴールキーパー(GK)のロベルトサンチェスがセーブするも、こぼれ球にエンケティアが詰めてゴール。
[システム図⑤]アーセナル、ハーフスピードのカウンターアタック
アーセナルは自陣深くでボールを奪うと⑧ウーデゴール、⑦サカとボールを繋いで一気に前進。
ウーデゴールとサカで前進するとハーフウェイライン付近で一旦攻撃を作り直す(下図はハーフウェイラインまで前進した直後の動き)。
後方から上がって来た⑤トーマスにボールが渡ると再び前進モード。トーマスの前線⑪マルティネッリへのパスで一気にブライトンゴールへ迫る。
この図の後、パスを受けたマルティネッリはディフェンスに来た②ランプティとの1対1を制しシュートを放つ。
アーセナルは4得点のうち3点をカウンターアタックで挙げた事からもわかる通り、カウンターアタックがこの試合に於ける有効な攻撃手段となっていた。
この日のアーセナルのカウンターアタックはハイスピードで前進して敵陣のスペースを一気に突くのではなく、状況に応じて前進速度を落としたりタメを作るなどして的確に相手守備陣の急所を突くものが多かったように感じた。
【65分・ブライトン】得点者:三苫 薫 (1-3)
ファーガソンのフリーランニングをきっかけに生じたスペースを生かした攻撃。最後は三苫が決めてブライトンが反撃の狼煙を上げる
ブライトンは左サイド、ハーフウェイラインから僅かにアーセナル陣内に入った位置で途中出場のアーセナル冨安から三苫がボールを奪うと、三苫からエストゥピニャン、三苫、コルウィル、ギルモアとダイレクトにボールを繋ぎボールをフィールド中央に運ぶ。
ギルモアはドリブルでボールを前へと運ぶと前線中央でファーガソンが右方向へとフリーランニング。この動きにアーセナルのCBサリバが引っ張られアーセナルのディフェンスラインにスペースが生じる。
このスペースにグロスが侵入すると、すかさずギルモアはグロスに縦パス。アーセナルは右SBの冨安がグロスのカバーに行くが、冨安が動いた事によって生じたスペースに三苫が侵入。
フリーでグロスからのパスを受けた三苫は右足でシュート決め、ブライトンが1点を返す。
[システム図⑥]ゴールに繋がるファーガソンのフリーラン
前線で㉘ファーガソンがフリーランニングで右方向に動くと、アーセナル⑫サリバがファーガソンの動きに引っ張られ前線の中央レーンの左側にスペースが生じる。
そのスペースに⑬グロスが侵入すると㉗ギルモアはグロスに縦パスを入れる。パスを受けたグロスは中央方向にドリブル。
アーセナルは⑱冨安がグロスのカバーに行くが、冨安が動いた事によって今度は左ハーフスペースにスペースが生じ、そのスペースに㉒三苫が入って来る。
この図の後、グロスは三苫にパス。フリーでパスを受けた三苫がシュートを決める。
後半途中に投入されたサルミエントとファーガソンは味方を生かすべくオフザボールでのフリーランニングを繰り返し行い、それがブライトンの攻撃を活性化していた。
65分のゴールはそれが実ったものだった。
【71分・アーセナル】得点者:ガブリエウ マルティネッリ (1-4)
ウーデゴールがロングボール一発で決定機を創出する。
ブライトンがアーセナル陣内ペナルティエリアまで攻め込み、左ニアゾーンからサルミエントがマイナスのクロス。
このクロスをトーマスがカットすると左サイドのジャカにパス。ジャカは中央からボールを受けに寄って来たウーデゴールにボールを送る。
ウーデゴールはジャカからのパスを受ける直前に前線の状況を確認すると、ダイレクトでブライトンのディフェンスライン裏のスペースへロングボールを蹴り込む。マッチアップするランプティを振り切り走り込んだマルティネッリがこのボールを収め右足でシュートを決める。
【79分・ブライトン】得点者:エバン ファーガソン (2-4)
自陣左ハーフスペースでボールを持つコルウィル。アーセナルがフォアプレスに来ないとみるやジワジワとボールを持ち上がり中央のダンクにパス。アーセナルのディフェンスライン中央にスペースがあり、ダンクはそのスペースへめがけてロングボールを入れる。
ボールはペナルティエリア内に到達。先にアーセナルのCBサリバがボールに追いつくもボールの処理にもたつくと、ロングボールに向けて走り込んで来たファーガソンがサリバに競りかけボールを奪うとGKの足元を抜くシュートを放ちゴール。
局面ごとの方針
ブライトン
【ポジティブトランジション】
前にスペースがあれば前進。前が詰まればポゼッションオフェンスに移行。
【攻撃】
ビルドアップはダンク、コルウィルの2CBとボランチの一角ギルモアによる2-1の並びが起点。もう一方のボランチ、グロスはビルドアップ開始の時点で基本的には敵ライン間へと上がるが、アーセナルのフォアプレスが強い場合はギルモアをサポートする為に中盤の底に下りてくる。ランプティ、エストゥピニャンの両サイドバックはビルドアップをサポートし、ボールが前進すれば上がって行く。
ギルモアを中心にパスを回して前進し、左右にボールを振ってサイドから仕掛ける。フィールド右側からの仕掛けはマーチにボールを入れて、その脇をランプティがオーバーラップやインナーラップ。マーチはランプティを使ってサイドやハーフスペースを深く攻めるか、ランプティをデコイにしてトロサールをターゲットにして中央にボールを入れるかを選択。フィールド左側からの仕掛けは三苫が単独でアーセナルのディフェンスラインに対して仕掛けて行き、エストゥピニャンは三苫を後方でサポートする。
ペナルティエリア内や、その近辺まで来ればララーナがボールホルダーに近づきワンツーパスやワンタッチで3人目の選手を使うパスでディフェンスラインの崩しを図る。
アーセナルがコンパクトな守備ブロックを敷くので後方からアーセナルのディフェンスライン裏へ直接ロングボールを入れてトロサールを走らせるパターンもあった。
後半の立ち上がり、アーセナルのフォアプレスに対してフィールドの左側で三苫が下がってマッチアップするベン ホワイトを釣り出し、エストゥピニャンがベンホワイトの背後にあるスペースを突いて左サイドから前進するパターンがよくみられた。ビルドアップから前進して行く局面でプレスを受けてもサポートに来た選手に一旦ボールを逃がし、動き出した3人目の選手へダイレクトにボールを繋いでプレスを剥がしにかかる。
サルミエントとファーガソンが投入されて以降、彼ら2人のオフザボールでの動きがアーセナルの守備ブロックを崩すきっかけになる。サルミエントやファーガソンが中盤に下がる事によって生じたスペースに中盤から上がって来たグロスや内にポジションを絞った三苫が入って来ることでチャンスを作る。65分の三苫のゴールはこのパターンから生まれた。更に三苫が内に絞る事によりエストゥピニャンも積極的にサイドのスペースを上がるようになる。
[システム図⑦]後半立ち上がり、左サイドから前進する時によくみられたパターン
後述するアーセナルのフォアプレス([システム図⑧]参照)に対して、㉒三苫が下がる事でマッチアップする④ベン ホワイトを釣り出す。
ベン ホワイトの背後のスペースへ㉚エストゥピニャンが上がって行き㉗ギルモアからのパスが入る。
【ネガティブトランジション⇒守備】
アーセナル陣内でボールを失った時は素早くマークを掴んでプレスに行く。
アーセナルが引き気味の時間帯ではアーセナルのビルドアップに対してアタッキングサードからプレスに行く。前線の2人(0~60分はトロサールとララーナ、61分以降はサルミエントとファーガソン)がアーセナルの2CBにプレスに行き、2列目以降も前線の2人に連動して前に出て行きプレスをかける。
自陣では4-4-2の陣形を組みボールサイドへラインを絞ってマークを掴み強くボールホルダーにアプローチする。
アーセナル
【ネガティブトランジション】
積極的に前へ出る時間帯(試合開始~20分頃、前半ラスト5分、後半開始~60分頃)では素早くマークを掴みカウンタープレスに行く。
それ以外の時間帯ではリトリートして4-1-4-1のブロックを組む事を優先するが、ラインは下げ過ぎないようにボールホルダーに対して間合いを詰める。
【守備】
前に出る時間帯ではブライトンのビルドアップに対してアタッキングサードからプレスに行く。エンケティア、マルティネッリでブライトンの2CBに対してプレスに行き、サカは左SBのエストゥピニャンをマーク。ジャカは中盤のギルモアへのパスを警戒しつつ右SBランプティにボールが渡れば左サイドへスライドする。
ミドルサードから守備に入る場合は4-1-4-1の陣形を敷きマークを掴みに行く。ブライトンがボールを下げたり、ボールの動きにノッキングが発生した時はウーデゴールとジャカが前に出てボールホルダーに対してプレッシャーをかける。
[システム図⑧]アーセナルがフォアプレスをかける時のイメージ図
⑭エンケティア、⑪マルティネッリがブライトンの2CB(⑥コルウィル、⑤ダンク)に対して外切り気味にプレス。⑦サカは㉚エストゥピニャンをマークする。
㉞ジャカは中盤の㉗ギルモアへのパスを警戒しつつ左サイドにボールが渡れば直ぐにボールサイドにスライド。
⑧ウーデゴールは⑬グロスをマーク。グロスがビルドアップをサポートする為に下がればウーデゴールもついて行く。
中盤の底に張る⑤トーマスはブライトンの前進に目を光らせる。
ネガティブトランジションでリトリートする事を優先する時間帯では、4-1-4-1のコンパクトなブロックを敷きスペースを埋める。
三苫のドリブル突破を強く警戒し、前に出る時間帯ではベン ホワイトマンマーク気味に三苫をマーク。リトリート優先の時間帯では後方のスペースを消すように守る。ベン ホワイトが三苫に対応できない時はトーマスが下がって対応する。
87分にロブ ホールディングが投入されて以降は自陣に5-4-1のブロックを敷き守りを固める。
【ポジティブトランジション】
素早く前に出て縦方向に攻撃を進めカウンターアタックを狙う。
ブライトンが守備体勢を整えようとすれば、一旦スローダウンしタメを作って攻めるポイントを見定める。攻めるポイントがみつかれば再度縦方向へと進み、縦への攻撃を継続。攻めるポイントがみつからなければポゼッションオフェンスへ移行する。
【攻撃】
ビルドアップはサリバ、ガブリエウ マガリャンイスの2CBとアンカーのトーマスによる2-1の並びが起点。SBはビルドアップの初期段階では内に絞るよりタッチライン際に開く事が多いように感じた。
ボールがブライトン陣内に向けて進めば左SBのジンチェンコは内に絞る。ウーデゴール、ジャカ、ジンチェンコの3人が敵ライン間でボールを受ける為にポジションを取り、ここからサイドにボールを展開する。
ゴール前への侵入は左サイドから行われる事が多かった。左ウイング(WG)のマルティネッリがペナルティエリア左角に向けてドリブルカットインで仕掛ける。ブライトンのディフェンスラインがマルティネッリのサイドにスライドすれば逆サイドのサカへサイドチェンジ。サカは右サイドのスペースを突きペナルティエリア角よりも深い位置からゴール方向にカットインする。
フィニッシュの局面では両WGがカットインから直接シュートを放ったりクロスを上げる。また、エンケティアにボールを入れてウーデゴールやジャカ、逆サイドのWGがエンケティアと絡んで動きながらボールを受ける事でラインブレイクを狙う。
試合の感想・ポイント
前半
アーセナルがメリハリの効いたゲームコントロールをみせ、前半で2点のリードを奪う
アーセナルは積極的に前に出る時間帯(試合開始~20分頃、前半ラスト5分)と下がって守備ブロックを敷いて守る時間帯を使い分けメリハリの効いた試合運びをみせる。
アーセナルは前に出る時間帯ではトランジションの攻防でブライトンを圧倒。先制ゴールもトランジションの攻防を制してのものだった。また、ミドルサードからの守備でもウーデゴール、ジャカの前へ出る形のプレスが強烈だった。中盤のプレスに関してはアンカーのポジションにいるトーマスの存在がウーデゴールとジャカに好影響を与えているように感じた。
アーセナルが下がって守る時間帯はブライトンがポゼッションを握り、アーセナルを押し込む。この時間帯のアーセナルについて、放送席解説(ABEMA)の福田正博氏が「エンケティアに上手くボールが入らないようになった」と指摘した通り、攻撃面では苦しんだ。しかし守備ではベン ホワイトが三苫の動きをしっかりと監視するなどし、流れの中でゴールを脅かされる場面は少なかった。
ブライトンは右サイドからの攻撃でアーセナルゴールに迫ろうとしたが攻め切る事ができず、逆に39分アーセナルがセットプレーのこぼれ球をウーデゴールが決めて追加点。
0対2、アーセナルリードで前半を終える事になった。
後半
ブライトン、選手交代を機に怒涛の追い上げでアーセナルを追い詰める
アーセナルは前半と同様、後半も開始直後から積極的に前に出る。そして後半開始早々の47分にカウンターアタックから追加点を奪い3対0。試合は早くも決したかにみえた。
アーセナルは60分頃からペースを落とし試合をコントロールしに行く。前半は試合の流れを上手くコントロールしたアーセナル。しかし後半はトーマスとベン ホワイトを下げた事、そしてブライトンが攻撃の活性化を狙ってサルミエントとファーガソンを投入した事により試合の流れはブライトンへと傾いて行く。
そして65分、ファーガソンのオフザボールの動きによって生じたスペースを生かし、最後は三苫がゴールを奪いブライトンが1点を返す。解説の福田正博氏がブライトンの攻撃について「エストゥピニャン、グロス、三苫の流動的な動きにアーセナルはマークを掴めていない」と指摘した通り、60分以降はブライトンが優位に試合を進め、その優位性のきっかけを作っているのは途中出場のサルミエントとファーガソンだった。
苦しむアーセナルだが、71分にカウンターアタックからゴールを挙げ4対1とブライトンを突き放しプレミアリーグ首位の力をみせる。しかしブライトンの勢いは衰えず、79分にファーガソンがゴールを挙げ2点差に迫る。
アーセナルは87分にロブ ホールディングを投入。5バックにして守りを固め逃げ切りを図るが、ブライトンは攻撃の手を緩めず、89分には三苫が1点差に迫るゴールを奪う。しかしこのゴールはVARの介入によりオフサイドの判定でノーゴール。ここでブライトンは力尽きる。
首位アーセナルが苦しみながらも4対2で逃げ切り勝ちを収めた。
ブライトンに対する感想
60分まではアーセナルの堅い守備とカウンターアタックにやられてしまったが、60分以降の怒涛の攻撃は凄かった。選手交代や戦術変更で試合のペースを奪ったのも見事だった。
敗れたとはいえプレミアリーグ首位のチームを相手に堂々と戦った。
アーセナルに対する感想
苦戦しながらも4点を奪う攻撃力はさすが。
特に、攻め急がずに緩急をつけながら的確に急所を突くカウンターアタックは見事だった。
選手寸評
ブライトン
三苫 薫 | 得意のドリブル突破でチャンスを作り、自らゴールを決める決定力もみせた。ブライトンが後半にみせた怒涛の追い上げを牽引。 |
パスカル グロス | アーセナルがフォアプレスに来れば下がってビルドアップをサポートし、崩しの局面では前線のスペースまで上がってフィニッシュに関わるなど攻撃面で幅広くチームに貢献した。 |
エバン ファーガソン | 前線とライン間を行き来し味方にスペースを提供。サルミエントと共にオフザボールのデコイランでチームの攻撃を活性化させる。79分にはサリバに競り勝ち自らもゴールを決める。 |
タリク ランプティ | 守備ではマルティネッリのドリブル突破に食らいつき、攻撃でもオーバーラップやインナーラップでマーチをサポートした。 |
アーセナル
マルティン ウーデゴール | 中盤や前線で攻撃のタメを作り、的確なタイミングで前方へボールを提供。守備でもジャカと共に前へ出る強烈なプレスをみせるなど攻守両面で活躍した。 |
トーマス パーティ | カウンターで奪った3得点は全て彼のボール奪取から。ウーデゴールやジャカが強くプレスに出られるのも彼がアンカーにいるからであり、中盤の底でチームを支える存在。 |
ガブリエウ マルティネッリ | カウンターアタックが発動すると敵陣へと積極的に仕掛け、フィニッシャーとして3得点に絡む。 |
オレクサンドル ジンチェンコ | ビルドアップ開始時はサイドに開くが、ボールが前に進めが内側にポジションを絞りパス回しの中継点としてボールを前線へと繋いでいた。 |
ベン ホワイト | 三苫とのマッチアップでは後方のスペースを上手く管理し、前半無失点に貢献した。 |
エディ エンケティア | 前線の狭いエリアでも巧みにボールを受けてフィニッシュに繋げる。47分にはマルティネッリのシュートのこぼれ球に詰めてゴールを奪う。 |
投稿主選出の man of the match
マルティン ウーデゴール
以上、ブライトン&ホーヴ アルビオン 対 アーセナル 戦のマッチレビューでした
本レビューは、あくまで投稿主個人の考えや感想を記事にしたものです。
本レビューに対して、ご意見やご感想があれば下のコメント欄よりコメントを頂ければ幸いです。
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