欧州サッカー観戦記 プレミアリーグ 第24節

プレミアリーグ

チャンピオンズリーグの優勝候補に挙げられるバイエルンとリヴァプール
決勝トーナメント直前の彼らの戦いぶりを観ました。

観戦した試合

2022年2月6日 ドイツ ブンデスリーガ 第21節
バイエルン ミュンヘン 対 RBライプツィヒ

2022年2月11日 イングランド プレミアリーグ 第24節
リヴァプール 対 レスター シティ

今回は リヴァプール 対 レスター 戦 をレビューします。

※バイエルン 対 ライプツィヒ 戦のレビューはこちらになります。
よろしければご覧下さい。

リヴァプール 対 レスター シティ

2022年2月11日 イングランド プレミアリーグ 第24節
リヴァプール 2-0 レスター シティ

凄まじい威力のカウンタープレスでゲームを支配したリヴァプール
攻撃でも、スペースを埋めるブロックを敷くレスターに対して多彩な攻め方をみせた
チャンピオンズリーグのインテル戦に向けて視界は良好のようだ

メンバー

リヴァプール
監督 ユルゲン クロップ

【スタメン】

1 アリソン ベッカー
3 ファビーニョ
4 ヴィルジル ファンダイク
6 チアゴ アルカンタラ
9 ロベルト フィルミーノ
17 カーティス ジョーンズ
20 ディオゴ ジョタ
23 ルイス ディアス
26 アンドリュー ロバートソン
32 ジョエル マティプ
66 トレント アレクサンダーアーノルド

【交代】

11 モハメド サラー (60分In)
➡フィルミーノ Out
67 ハーベイ エリオット (60分In)
➡カーティス ジョーンズ Out
18 南野 拓実 (90分In)
➡ルイス ディアス Out

レスター シティ
監督 ブレンダン ロジャース

【スタメン】

1 カスパー シュマイケル
2 ジェイムズ ジャスティン
10 ジェイムズ マディソン
11 マーク オルブライトン
18 ダニエル アマーティ
22 キアナン デューズバリーホール
25 ウィルフレッド ヌディディ
29 パトソン ダカ
33 ルーク トーマス
37 アデモラ ルックマン
42 ブバカリ スマレ

【交代】

8 ユーリ ティーレマンス (61分In)
➡スマレ Out
14 ケレチ イヘアナチョ (60分In)
➡ダカ Out
7 ハーベイ バーンズ (79分In)
➡ルックマン Out

システム

左:リヴァプール 右:レスター

①試合開始時

②60分、両チーム2枚替え

③試合終了直前、レスター4-3-1-2

得点経過

【リヴァプール・34分】得点者:ディオゴ ジョタ
右コーナーキック(CK)、アレクサンダーアーノルドがアウトスイングのキック。
ゴール前中央でファビーニョをスクリーンにしてヌディディを振り切ったファンダイクがニアでヘディングシュート。ゴールキーパー(GK)シュマイケルが弾くも、こぼれ球をジョタが押し込みゴール。

【リヴァプール・87分】得点者:ディオゴ ジョタ
リヴァプール左CKからの3次攻撃。ファビーニョがレスターのクリアボールをカットし、そのボールをエリオットが左ハーフスペースのルイス ディアスへ送る。ルイス ディアスは中央にいるマティプへパス。マティプはディフェンスライン中央にあるギャップにボールを流し込むと、ジョタがシュートしゴール。

局面ごとの方針

リヴァプール

【ネガティブトラジション】
ボール周囲の選手が瞬時にカウンタープレス。ボールをキープされてもボールホルダーの周囲を複数の選手が囲み連続でプレス。
カウンタープレスを突破されそうになってもファビーニョが中盤のフィルターになり、マティプやファンダイクも前に出て攻撃を潰しに来る。さらにチアゴも戻ってプレスに来る。

【守備】
ボールホルダーに複数の選手が寄せて行きプレス。
自陣では4-1-4-1のブロックを敷く。

【ポジティブトラディション】
前方にスペースがあればジョタ、フィルミーノ、ルイス ディアスの前線3人がスペースを突くので、そこへボールを送る。
スペースを消されたらボールをキープしポゼッションオフェンスへ移行。

【攻撃】
ビルドアップはマティプ、ファンダイクの2センターバックの前にファビーニョが立つ2-1の形でアレクサンダーアーノルド、ロバートソンの両サイドバックはボールの前進とともに前に行く。チアゴ、フィルミーノ、カーティス ジョーンズがライン間でボールを受け、右はアレクサンダーアーノルドとジョタ、左はロバートソンとルイス ディアスが連携しながらレスターの守備ブロックを押し込み、そこに前線のフィルミーノが絡んでディフェンスラインの攻略にかかる。
パスを繋いで前進しつつ、前方にスペースがあれば後方からのロングボールや斜めのサイドチェンジで一気に前進することもあった。

後半、チアゴが下がってビルドアップに加わっていた。このチアゴの動きを放送席解説(DAZN)の戸田和幸氏は、レスターの守備ブロックを前に引き出す狙いがあると説明していた。

レスター

【ネガティブトラジション】
リヴァプールのトラジションの動きに対して無理に張り合わず、リトリートして素早く守備ブロックを形成。スペースを埋めることを優先する。

【守備】
ミドルサードに4-4-1-1のブロックを敷きスペースを埋め、リヴァプールの攻撃を迎え撃つ。
時折前からプレスに行くこともあった。

【ポジティブトラディション】
リヴァプールのカウンタープレスをかわせば縦に攻める。
マディソンにボールを入れて彼が攻撃に変化をつけてディフェンスラインの攻略を狙うパターンと、直接ディフェンスラインの裏へ直接ボールを送りダカを走らせるパターンがあった。

【攻撃】
ビルドアップはアマーティ、ヌディディの前にスマレが立つ2-1の形で、スマレへのパスコースが切られたらデュースバリーホールが下がってビルドアップをサポート。
プレスをかわせば早めに縦を狙う。

試合の感想・ポイント

前半

トラジションの攻防でリヴァプールが繰り出すカウンタープレスの威力は凄まじく、それによりリヴァプールは試合の主導権を掌握する。
レスターが素早くスペースを埋めていたのでリヴァプールがカウンターを打つことはそれほど多くはなかったが、その分多彩なポゼッションオフェンスをみせライン間、ディフェンスラインの裏、右、左、中央とあらゆるエリアからレスターゴールに向けて攻め込んだ。
対するレスターは上手く攻撃を組み立てる事が出来ず、時折ポジティブトラジションから縦に攻めてもマティプとファンダイクに前線を封じられた。
攻守に圧倒されたレスターだったが、幸いにもは1失点で凌ぐ事ができ、後半に望みを繋いだ。

後半

後半も前半の流れを引き継ぎ、リヴァプールペースでスタートするが、レスターは前半以上の抵抗をみせる。
特に中盤のデューズバリーホール、ルックマンが攻守両面で奮闘。プレスをかわし、セカンドボールにも積極的に絡んで行った。また守備面ではブロックを敷いた際に両サイドハーフが強めに前に出てボールホルダーにアプローチするようになる。
このように、レスターは前半を上回るサッカーをみせるが、リヴァプールに傾いた試合の流れを奪うには至らない。79分レスターはバーンズを投入しシステムも4-3-1-2にシステムを変更。同点逆転への意欲をみせるが、システム変更の効果はあまりみられず、逆に87分リヴァプールはジョタがこの日2点目のゴールを決め、勝負は決した。

選手寸評

リヴァプール
ディオゴ ジョタ 右サイドからの攻めでチャンスを作り、ゴール前のフィニシャーとして2ゴールを挙げる充実の内容。
ファビーニョ 中盤のフィルターとして抜群の存在感。トラジション後の動きも攻守両面で抜群だった。
チアゴ アルカンタラ ライン間ではボールを前につけてレスターの守備ブロックを押し込み、後方に下がればビルドアップのサポート。守備でも機を見てのプレスと多彩な役割をこなした。
ルイス ディアス チーム加入直後にもかかわらずロバートソンとの好コンビネーションで左サイドを何度も突破。戸田氏はチームの戦術に即馴染んでいると高く評価していた。
ウィルジル ファンダイク ダカとのマッチアップは常に先手を取る、ほぼ完璧な対応。レスターの攻撃を封じ切った。
ジョエル マティプ カウンターを受けた時には好カバーをみせ、攻撃でも自らボールを持ち上がり組み立てに参加。87分にはジョタのゴールをアシストした。
レスター
キアナンデューズバリー ホール リヴァプールが激しいプレスをかけてくる中でもボールをキープし、さらには前進するなどかなりの健闘をみせた。
アデモラ ルックマン 劣勢の中でも推進力の高さは垣間見えた。後半は守備でも積極的に前に出る姿勢をみせた。
ウィルフレッド ヌディディ 34分の失点シーンではファンダイクに振り切られてしまったが、フィルミーノとのマッチアップでは粘り強く食らいつくマークで健闘をみせた。
ジェイムズ マディソン チャンス自体は少ない中でも、局面を打開する為の前線へのパスはハイレベルだった。
カスパー シュマイケル リヴァプールに押し込まれる展開の中、何度も好セーブをみせた。

投稿主選出の man of the match

ディオゴ ジョタ

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